糟屋郡はいいぞ

ツイッターで書くには文字数が足りないやつ。Amazonのアソシエイトとして、KasuyaMofuは適格販売により収入を得ています。

アウトプットするのに大事な要素は「正確さ」と「ストーリー」。 #アウトプットの秘訣_findy

9/13(火)の「アウトプットからはじまるエンジニアのキャリア戦略」において、 @OnigiriMa_shiさん 司会のもと、 @uhyo_さん@KOBA789さん が話していた内容について、話の内容の整理と、自分なりに解釈した結論。

このアウトプットは、自分がアウトプットにおいて何が重要であるかを忘れないために書くことと、この素晴らしいイベントが存在したという事実が、時の流れと共に風化しないために記録する。

findy.connpass.com

感想

イベント全体を通してうひょさん、KOBAさんのしゃべりが面白く、最初から最後までテンションを高めて聞くことができた。その中で、一番大事で実践したいと思ったことは、以下の通り。

  • アウトプットにおいて重要と感じたことは2つ。記述している内容の客観的正確さ、記述している人のストーリー、コンテキストの共有。
  • アウトプットで最低限目指す品質は、「主観的に間違っていないコンテンツである」こと。

何よりも、「自分が間違っていない」という確信は、アウトプットに不可欠だということが大事だと感じた。質の高い技術文書を書く方法に代表されるような、客観的に全ての人に同じレベルで伝わるアウトプットを行うのは、敷居が高い。特に、エンジニアという文脈が「アウトプットは素晴らしいものではならない」という心理的な障壁を作ってしまう。

その認識があっても、今回、この記事を書いたのは、KOBAさんの「発信は「自己紹介」のつもりで書いている」という部分に後押しされたことが大きい。後述するTwitterのスレッドのように、私は、Twitterにおいて、何らかのイベント、とりわけ、技術イベントの実況をするのがすごく好きであり、実況することで自身が忘れないという側面もある。この部分を自己紹介する、という切り口で、このアウトプットをすれば自分でも納得のいくアウトプットになる、と思ったからである。

Twitterに実況を書いただけでは、その情報はとても読み取りづらく、エンジニア的な視点では 情報は整理・整形されていないと参照されない と思う節があるので、稚拙ながら、今後は「何かのイベントに参加した際はすぐアウトプットする」ということを習慣づけていく。また、アウトプットすることへの「めんどくささ」の敷居を下げていく。

イベント内の話題と、両名の発言の要旨の記録

リアルタイムで内容についてつぶやいていたことを元に、テーマごとに両名が話していたことを以下に記載しておきます。特に印象に残った部分については、 太字 にしている。 ただし、内容が正確かどうか保証しない。このブログの内容を持って、本人が「こんなことを言っていた」といった引用はしないこと。

https://twitter.com/t_KasuyaMofu/status/1569651889725390848

OSS活動を始めたきっかけ」

  • うひょさん: TypeScript のコンパイラにPRを投げた。TypeScript にコントリビュートするぞ!コンパイラにコード投げたらかっこよくない?着手の仕方は、GitHubのissue眺めてできそうなやつを見つけた。
  • KOBAさん: nodejsにnpmがなく、GitHub からコードを持ってきて動かす時代に、TwitterのOAuthライブラリを公開したのが最初。JSを公開してたらかっこいい風潮もあり。OSSへの貢献: 条件式逆になってるぞってPRを投げる際の、周りの 「英語は通じなくてもコードは通じるから」 という声が支えになった。

「意図のあるコード」について

  • うひょさん: React の人なので、 recoil への貢献で世界にこれを使っていきたいという思想?を世界に伝えることができる。Recoilは視聴者さんも使ってたり、KOBAさんも使ってたりする。
  • KOBAさん: (流行らせたいといった)意図があるコード、活動もある。一方で、特に意図を持っていないコードはとりあえず公開しとけば得じゃん?みたいな気持ちもあり。

OSS活動に充てるための時間の捻出の仕方

  • KOBAさん: 大きなものは週末にまとめて。その他、思いついたときにやる。
  • うひょさん: 似たような感じ。平日は業務後に。 業務中にアイディアが思いついちゃうと大変
  • KOBAさん 「今乗らないといけない」 みたいなことありません?
  • うひょさん: Recoilが正にそうで、Twitterで見て布団から飛び起きて記事を書いた
  • KOBAさん 「コードは気が付いたら書き切っている」

※イベント冒頭でも 「今思いついちゃったから作るか~~~」という話があり、一致している。

どんな発信をしているのか?その発信方法が良い理由は?

  • KOBAさん: 話すのが得意なので、この(バーチャルの)姿で、何らかの発信をするときにめんどさのキャズムを超えるのが今の方法。ネタ帳があって、ネタの中から予定と工数を見て「お、できるな」みたいな感じ。ネタ帳のネタは、遠出したときに衝動的にネタを増やしたり。
  • うひょさん: 対照的で、その場で書きたいものを全て書く。キューは常に空という感じ。特別に執筆イベントなどがあるときは準備することもあるが、基本は「書いて公開したい」の圧が強い。

QiitaやZennといったメディアの使い分けについて

  • うひょさん
    • Zenn: 知識を提供する記事
    • Qiita: 時事ネタ、一発ギャグ
    • 独自ドメインブログ: 自分の思想
  • KOBAさん
    • YouTube: 見る人を意識している
    • Twitter: 見てる人を意識していない
    • ブログ: 見てる人を少しは意識している。前後の関係を切り取られることもないので、「ここまで書いて大丈夫だろう」みたいなことも書ける。

情報の仕入れ方について

  • うひょさん
    • Twitterからが多い。公式情報をRTされたり、有意な情報が取得できる。
  • KOBAさん
    • Twitter
    • Slack: 「有益なツイートをする人の自動通知」、古典的だが(AWSのWhat's Newなどの)RSSフィード。業務中に、Slackのチャンネルが光るので、その場で見る。
    • GitHub: OSS著名人や、新しい物を見る目を持っている人のGitHubをフォローしておく。Star通知などは特にTwitter より2カ月は先を行っている印象。

初心者にオススメなアウトプット方法は?

  • KOBAさん: LTで(技術を絡めた)一発ネタ。
  • うひょさん: 間違いに気を付けながら、学んだことを書く。

筋のいい書き方のコツについて

  • うひょさん: 「自分はこういう思考をしていたからこういう結論になったのか」というのを(なぜなぜ分析のように)辿っていく。
  • KOBAさん: 人の"直観"はよくできていて、割と当たってしまう ので、直観ファースト、その後、補強するために分析をし直す。

コンテキスト抜きに結果だけ書くと周りから見ると 論理の飛躍 が発生しかねないので、「こういう問題に対して、こう解決した」というストーリーは大事。ただし、経験が少ないと、コンテキストを客観的に見たり分析するのが難しい。

コメントで『仮置きでも「結論」をとりあえず置いちゃう、という手もある』という発言もあり、その後、間違いに陥らないように工夫するのも大事だねって話をしてた覚えあり。

今後のチャレンジや将来のキャリアへの展望は?

  • KOBAさん
    • 個人的な展望: 「誰かを驚かせたい」のが好き。具体的な展望は無し。
    • 仕事的な展望: 「自分だけにやれそう」をしたい。直近は"人工衛星やります"。宇宙の世界は総合格闘技で、『オーバーエンジニアリングも許容される』ので楽しい。例えば、「(システムに)柔軟性は欲しいけど、壊れないように」といった矛盾したリクエスト。
  • うひょさん
    • 個人的な展望: エコシステムに貢献していきたい。Recoilの周りもその一環。 - 「私がRecoilを推してるんだから信じて」という信頼を得たい。そういったように世界を進めていきたい。
    • 仕事的な展望: 仕事のキャリアは、この方向性を生かせるようにできると嬉しい。

営業とエンジニアなど、掛け算の戦略などあるか

  • KOBAさん: アカウントを分離していない。会社名義でもこの姿で出ているので発信力が地続きで、会社と趣味を掛け算している。
  • うひょさん: 技術力一辺倒 で戦っている。ソフトスキルと掛け算するのかなど、戦略は割と悩む。
  • 北川さん: フロントとバックエンドといった技術要素の掛け算もありますね。
  • うひょさん: バックエンドと円滑にコミュニケーションをとれる開発など。
  • KOBAさん: ハードウェア、インフラ、フロントエンド、バックエンド、全部できるのが売りにしてる。

インプット・アウトプットを実務に活かすために工夫すること

  • うひょさん: 業務で困ったことをアウトプットにつなげる ことはある。TypeScriptのバグを踏んだこととか。
  • KOBAさん: 会社内での発信だと、 影響を及ぼす数が少なく「もったいない」 ので社外で書いて会社に展開とか。

この話の中で 「自分の意見にパーマリンクがついていると便利」 という言葉が飛び出し、非常に有用な表現と感じた。

n番煎じになって筆を折るんだけどどうすれば

  • うひょさん: 「新規性」は大事 なので、"掛け算"の発想で書く。特定のエラーメッセージで記事になっていなければそれを記事に書くとか。最初から教科書的に書くの不可能。
  • KOBAさん: ストーリーを書くのほんと大事。 発信は、「自己紹介」のつもり で書いている。解説しよう、といったモチベーションだと、重複した内容になっていまって「や~めた」、となってしまうので、 自分はこんなストーリーに遭った 、ということを書く。

アウトプットの失敗談は?

  • KOBAさん: 「物忘れがいいんでね」
  • うひょさん: (思想的な記事などが)燃えるとか。なので、 正しいことを書いた自信 が、自身を支えている。
  • KOBAさん: アウトプットが滑ること。自信満々で持って行ったLTがウケなかったときなどw
  • うひょさん: 確かにいいねが思ったよりつかなかったりすると...w

最後に

  • KOBAさん: 見ての通り(?)、割と適当な人間だが(?) アウトプットしてることが「何かに実る」こともある ので、アウトプットしてみてはいかが。
  • うひょさん: アウトプットで成長した 。正しいことを正しく書くことで技術力も上がり、キャリアにもなった。